建築好きの名建築訪問、陶板タイルとジョージナカシマのオリジナル家具が映える東京さぬき倶楽部のロビー
麻布十番にある東京さぬき倶楽部が先日4月30日に閉館しました。
2年ほど前に一度宿泊したことがありますが、畳八畳間でバストイレ別、古くてじめっとしていて幽霊屋敷のような印象がありました。
しかし広大な敷地内にある讃岐料理のばんげや四季折々の美しさが楽しめる庭園は中々の見物です(ばんげに関しては以下の記事をご参照ください)。
そして最大の見所が、香川さぬきの世界観を体現した見事なロビーです。
二層吹抜けの構造および内装が秀逸な見事なロビー
宿泊部屋のみすぼらしさとは正反対に、二層吹抜けのロビーはあらゆる意味で完成度が高く、とても見所が豊富です。
壁を飾る陶板タイル、ジョージナカシマのオリジナルチェア&テーブル、天井の駆体と一体になった造り付けの照明、等々、このロビーに関しては宿泊して良かったと本当に満喫しました。
香川さぬきの発信拠点としての名建築も50年近くの歴史に幕
冒頭にも触れましたが、つい先日の4月30日をもって50年近くの歴史に幕を閉じました。
近代的なタワーマンションが屹立している中にあって異色の存在感を放っていた別世界も時代の波と耐震基準を乗り越えることができず残念ながらのリタイアです。
レプリカでないジョージナカシマのオリジナル家具を実際に座ったり触ったりできるのは国立近代美術館とここだけだったんですけど、よる年並に勝てず貴重な場所がまた一つ消えてしまいました。
感銘を受けた駆体と一体になったオリジナル照明は間違いなく建物と一緒に潰されるのでしょうが、美しい陶板タイルやジョージナカシマのオリジナル家具達は一体どうなってしまうのでしょう?
次にこの界隈を訪れる機会がある時に、跡地に周囲と同じような近代的なタワーマンションが建っていたらきっとガッカリしてしまうでしょうね!
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