建築好きの名建築訪問96/ホテル川久

ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山

建築好きの名建築訪問、南紀白浜の夢の城、ホテル川久

先日和歌山県の南紀白浜のリゾートホテル川久に泊まりました。部屋の広さは112m2と今住んでいる部屋の2倍もあり、「王様のビュッフェ」という名物ビュッフェのディナーとモーニングビュッフェの2食付きと一晩だけ王様気分を味わいました。

国内外から最高のものを取り寄せただけあって、ギネスに認定された金箔天井、大理石の原石が採れないドイツやオーストリアで一時流行したシュトックマルモという特殊な擬似大理石を使った巨大な柱、横山大観などの絵画作品多数、イタリア現代画家による大天井画、インゴマウラー監修の光の間、イタリアローマのモザイク職人達による古代モザイク床の細密なレプリカ、1800年以上前のビザンチン時代のモザイク、中国の紫禁城と同じ瑠璃瓦等々、数え上げればキリがないほどの最高素材や作品の数々に度肝を抜かれました。

ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
南紀白浜のリゾートホテル川久
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
ヨーロッパの古い城館を彷彿とさせる巨大な建造物です
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
圧巻のホテルロビー、金箔天井、ローマンモザイクの床が素晴らしい出来栄えです
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
金箔天井はフランスの人間国宝金箔職人ロベールゴアール監修のもと、ドイツの金箔を輸入して日本中の金箔職人達が5cm四方の大きさの金箔を一枚一枚貼り付けた会心の出来栄えで、昨年その使用量がギネスに認定されたそうです
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
30年近く経過しても全く色褪せていません
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
シュトックマルモの柱は合計26本、ドイツで研修を積んだ日本人デザイナーが四国の職人に製作させた巨大な柱で、大理石の原石だと出せない特殊な色と模様が見事です、これだけで26億円かかったそうです
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
吹き抜け天井にはベネチアングラスのイタリア製シャンデリアが多数使われています
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
シンプルモダン全盛の現代では中々お目にかかれない豪華な照明に心躍らされました
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
シリアで出土した紀元2世紀のビザンチンモザイクが合計4枚飾られています、ニューヨークメトロポリタン美術館の鑑定で本物のお墨付きをもらっています
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
ロビーのラウンジチェアはイタリア最高峰の家具ブランド、ポルトローナフラウの革製ラウンジチェアの特別色が多数使われています、30年近く経過してもしっかりと品質を維持しています
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
因みにレストランやカフェのレシートケースもポルトローナフラウ製です
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
紀州のみかんを絞ったオレンジジュースは滑らかでとても美味です
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
イタリア現代画家ジョルジオチェリベルティによる大天井画、アート作品に関して門外漢の僕でも感動する大作です
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
インゴマウラー監修の光の間「ドロミティルーム」、ワイヤーシステムYAYAHOによるライトアップが素敵です
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
二階の通路は横山大観など現代画家の絵画がずらりと飾られた有料ギャラリーになっており、宿泊客は無料で楽しめます
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
大浴場には暖炉が備え付けられていました
ホテル川久 KAWAKYU 南紀白浜 夢の城 バブルの遺産 和歌山
全室オーシャンビューの部屋からの眺め、海の色がとても美しいです

バブル絶頂期に着工した夢の遺産

元々は由緒正しい老舗旅館でしたが、二代目が最高の夢の城にするべく1989年のバブル絶頂期に300億の巨費を投じて会員制リゾート別荘として作り替え、2年後の1991年に完成し、1993年には村野藤吾賞を受賞しましたが、400億円の負債を抱えて1995年に倒産し、1998年に北海道のキヤマホテルアンドリゾートに30億円で買い取られて現在の高級ホテルリゾートとして運営されることになったそうです。

当時としては二代目兄妹による無謀な試みのおかげであえなく泡沫のように消えてしまいましたが、その暴挙のおかげで僕のような貧乏庶民でもこんな凄まじい施設を体感できることを考えたら、今となっては崇高なトライヤルと称えてあげるべきなのかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です